SAYURIKIMONOについて

はじめまして、さゆりです。

2020年秋に「SAYURIKIMONO」にて着物に関する記事の配信を始めました。

私自身が0から着物を学んでいくなかで得た知識や情報を発信していきます。また、元呉服屋の実家に眠る貴重な着物も紹介させていただきます。

着物にご興味がある方、習い事などで着物を着る機会がある方、日常でもっと着物に触れていたい!と思う方など、”着物仲間”として読んで楽しんでいただければ幸いです。

元呉服屋でありながら”着物超初心者”である私が成長する記録としても残していきたいと思っています。ぜひ成長の過程をお楽しみください。

また、着物の知識や着付け方法などは様々なやり方があるかと思います。決してこちらで紹介していることだけが全て正しいというわけではないと私も考えておりますので、ぜひあくまで ”一つの情報” としてお楽しみください。

それでは早速、なぜSAYURIKIMONOを始めたのかを、時系列でご紹介したいと思います。

少し長い文章になってしまいますが、ぜひお付き合いいただければ幸いです。

 

きものから離れる

私は福島県の田舎にある呉服屋の家に生まれました。

実家の呉服屋は、昭和初期に染物屋からはじめ、高級呉服をメインに祖母の代まで営んでいました。

しかし、着物を購入する人が年々減っていくとともに、祖母が子宮がんを患い52歳という若さで亡くなってから数年後、父親の代で着物の取り扱いをやめアパレルにシフトしました。

もともと高級呉服を扱っていたので、売上は高く、父の幼少期時代は大変贅沢な暮らしをしていたようです。私が小学4年生頃までは代々お手伝いさんが常駐する暮らしをしていました。

しかし、祖母が亡くなる数年前から徐々に売上は傾き、日銭を稼ぐためにアパレルを取り扱いし始めるも、なかなか田舎の片隅で高いブランド服を購入するお客さんもおらず、家計はますます厳しくなっていきました。

商店街に位置しながらなかなかお客さんが来ない日が続くと、子供ながらに心配し、どうしたらお客さんが来るかな?と考えたこともありました。

また着物や洋服に囲まれて育った私は自然とアパレルに興味を持つようになり、いずれお店を継ぐことを夢としていました。一方で、厳しい現実を体感していた両親は「アパレルは厳しい世界だから後を継ぐのではなく、大学に行って企業に勤めたほうがいい」と言うのが口癖で、その通り、私は大学卒業後は大手企業に就職しました。大人になって知ったのですが、その日のご飯を用意するのも厳しいくらいの生活だったため、それは子供のことを一番に想うアドバイスだったんだなと両親に感謝しています。

 

きものの魅力に触れる

そんな背景もあり、着物やアパレルとは無縁の業界で働き生活をしてきました。

しかし、成人式や友人の結婚式で母に着物を着せてもらい参列すると、お友達のお母さんや初めて会う方から「とても素敵な着物ですね」「貴重な着物を見ることができました!」と大変喜んで下さることが多く、改めて着る物で自分だけではなく周りの人も幸せな気持ちにさせることができるファッションの力は素晴らしいなと思いました。

同時に、「このままこんな素敵な着物をタンスに入れておくのはもったいない」という気持ちが強くなりました。

ぼろぼろになった畳紙(たとうし)からしっとりとしたちりめん地に総絞りの着物を触ってみると、その一つ一つの絞りを手でつくりあげた職人の技に思わず鳥肌が立つほど。そんな贅沢な着物を着ない人生は、なんてもったいないんだろう。少しずつでも良いから、着物に触れていきたい。着物を知りたい。そんな想いで、28歳にして着物を0から学んでいくことを決心しました。

 

きものを0から着る、知る、観る

私は恥ずかしながら、元呉服屋に生まれたにも関わらず、28歳になるまで着物はおろか浴衣さえ着付けることができませんでした

理由は、メインで呉服屋を営んでいた祖母が幼少期に亡くなってしまったこと。後を継いだ父や母は経済的にとても苦労し、その苦労を見ているとなかなか着物の話はできなかったこと。

もちろん着物に罪はなかったけれど、なんとなく着物には触れてはいけないという想いがあり、また、着物を着る機会は人生で数回くらいしかないし、その時は母に着付けてもらえば大丈夫、と思っていました。

しかし、本当に母に依存したままでいいのだろうか?もし母がなくなったらこの貴重な着物は誰が保管し、メンテナンスし、私や姉、そして私の将来の子供たちに着付けてあげるんだろう。

曽祖母が愛した大島紬、祖母がその並外れたセンスでデザインした訪問着、母が嫁入りしたときに仕立ててもらった付下げ、私や姉弟が七五三で着せてもらった着物。家宝でありながら、家族のそれぞれの思い出がつまった着物をそのままタンスにしまい込むという選択肢はありませんでした。

そこで、まずは浴衣の着付けからスタートし、着物の保管の見直し、マイサイズの長襦袢あつらえ、結婚式でも履いていける草履購入など少しずつはじめました。またかつて着物を日常に着ていた時代を知りたい!という想いから、着物にまつわる書籍や目で楽しめる昔の映画などを観るようになったり、都内の呉服屋を数軒巡るなど、着物を「着る、知る、観る」ことをスタートしました。

 

きもの文化を残していきたい

元呉服屋に生まれたにも関わらず、28年間着物について何も学ぼうとしませんでした。

そこには、「着物って着るの難しそう」「素人は手を出したらいけない」「とっても高いものだから扱いが難しい」という思いがあったことも事実です。

元呉服屋の娘でもそんなことを思うのに、着物に縁がない方に「着物をぜひ着てみて」というのはとても難易度が高いなあと思います。

一方で、かつて着物を日常で着ていた日本では、もっと自由にファッションを楽しんでいたように思います。

着物の格も”TPOに合わせて楽しむ”ことの表れであるし、何より、自然や四季の美しさを柄で表している着物は現代の日本人には失われてしまった感覚であると思います。そんな着物の魅力を知ってほしい、触れてほしい。

もちろん日常で着ることはなかなか難しいので、友人の結婚式でたまに着てみる、海外旅行で着てみる、着物仲間と着物で集まってお茶してみるなど、生活スタイルの中に少しでもいいから着物を取り入れてみてほしいという想いがあります。

でもやっぱり着物って着るの大変そう。

そんな方には、着るだけではなく、着物を”知る、観る”、”読む”ことでぜひ着物に触れてみてはいかがでしょうか

少しでもそんな着物に触れる機会が提供できる場としてこのSAYURIKIMONOを楽しんでいただければと思います。

元呉服屋の娘でありながらゼロから着物を学んでいく様子もぜひお楽しみください。

※着物初心者であり、着付けが甘かったり、知識が不足している点が多々あるかと思います。お見苦しい点もあるかと思いますが、着物を学びながら自分の体験記事を発信しておりますので、ぜひ温かい目で見守っていただけますと幸いです。

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